小型コントローラーで連続調光をするオンライン会議用の顔照明です。ディスプレイ上のカメラの両脇にセットすることで、顔に影を作らずに照明します。
市販ではこういうのが見つからないので、そこらへんの材料で自作したものですが^^; レンズのそばにセットできるので顔に影がでないわけです。かなり明るくもできますが、Zoomの場合は、ほのかな明るさでも十分です。
10月は例年少し忙しいので、投稿がとどこおりがちなのですがそうはいきません。今回はごく簡単な電子工作について説明したいと思います。
今や普通になったオンライン会議では、自分の元気な表情を見せることが自分のためでなく他の参加者の気持ちのために大事ですね。ところが顔が暗くなって見えたり影になっている参加者が多いのに気づきます。例えば次の写真で顔の色だけをご覧ください。せっかく背景がよくても顔が暗いと今一つになりがち。
顔の明るさは会議全体の雰囲気にも影響しそうです。
スマホの場合は市販のリングライト(スマホの周りを取り囲む)を使えばよいですが、デスクトップのディスプレイからではそうはいきません。大体32インチ以内なら、今回の照明でずいぶん改善されますが、より大きいディスプレイでは画面の中心からレンズまでだいぶ遠いので一工夫が要ります。それについては後日書きたすことにします。
なにしろ普通の部屋では、ほぼ例外なく照明が天井のほうにあるため、禿頭をピカリと強調したり、顔の下半分に影を作ったりし勝ちですね。
この電子工作は、このブログでは珍しくマイコンなど使わない簡単なもので、照明の光源にはLEDモジュールを使います。クルマの車内照明用に12V対応の白色LEDモジュールがネットでたくさん売られていますが、とても明るく超低消費電力です。次の写真のものは昨年eBayで購入、1個1ドルでした。
これは5センチx2センチの大きさで36個のLEDエレメントが配置されています。
測定すると12Vでは100mAですが明るすぎて直視できません。11Vでも十分すぎる明るさで電流は50mAです。もう少し低くてちょうど良い感じすが、この場合は0.5Wほどなので放熱をほとんど気にしなくてすみます。
ネットにはいろんな種類がありますが、ほぼ同様と思われます。使う場合はもちろん事前に測る必要はあるでしょう。
自由に明るさを変えるための調光器はごく単純な次の回路としました。
テストするとこれで計算通りになります。
15V入力は秋月の超小型ACアダプターで電流は十分です。
LEDモジュール複数を並列につないで明るさを比較すると、低い電圧の時に個体間のばらつきが少しありますが、どれでも特に問題ない感じです。
これを入れるケースは、ディスプレイの上にセットするわけなので脚部に少し工夫を要します。ここでは、不要となった古いWebカメラの脚を流用しました。
10年以上前のものなので、ディスプレイにひっかける足の前部が深さ12mmもあるため、現代のディスプレイの縁幅を超えて画面を隠してしまいます。
よって次のようにカットします。
黒い丸いものは、カメラが自由に回転したり角度を変えられるようにするだいじな部品です。
そして適当なプラ容器にねじ止めしてセットします。
ちなみにこの容器は百均で4個百円だった小さな食品容器です。念のために天端に5mmの放熱穴をあけてあります。一番明るくしない場合はほぼ必要ない感じですが、その穴から取り付けねじを締めることができます。
そして、デフューザーとして蓋の内側にトレーシングペーパーを二つ折りにして小さな両面テープで中央部に張り付けてあります。これにより眼の負担が軽減されます。短時間でうまくできました、我ながら^^
調光器は秋月の一番小さなプラケースに収容するため、基板は60mmx30mmにします。また深さがないので、1A用の可変電圧レギュレータはまげて取り付ける必要がありますし、これに大型の可変抵抗器をセットしなければなりません。
よって、回路図自体は同じなのですが次のような配線図(上からみた図です)とします。
これを次のような60mmx30mmの基板にします。銅箔面なので左右が逆ですが。
CNCルーターで削って出来上がり。
表からは次。
ずいぶん小さく組みあがりました。
そして32インチディスプレイにとりつけ。上の棚にぎりぎりですが、幸いうまく収まりました。
カメラのレンズからの距離を同じあたりにセットしています。
早速PCをオンにします(百ボルト電源はPC元電源からとっています)。
いい感じですね。
コントローラーもごく小さいので置き場所に困りません。
このPCからは過去にオンライン会議には出てませんが今後使う予定。早速Zoomで実験。
おお!これはいい!
顔に影がなく明るく映ります!頭の輝きが強調されませんでさらによい^^;
小さなプーさんを出してみます。
これならバーチャル背景にまけませんね。第一、頭や額がピカっとしてない(笑)
というわけで400円ほどのこの工作はメデタシメデタシ。。。
なお、もしさらに大きなディスプレイを使う場合は、照明を上にセットするだけでは不十分なことがあります。また、メガネの反射をどうするかなどの留意点もありますね。時間のある時に記事の後ろに書き足したいと思います。
とにかく、こういう工夫をして出ると会議が明るくなりますね。プロの面々がでるときはみなさん顔を明るくして表情豊かですね。それが他の参加者のためなのですから。次の例のように。
海外では、オンライン会議で自分の顔の照明にずいぶん気を付けて参加される方も多いようです。たとえばですが、、
では今回はこのへんで。もし皆様のお役に立てば幸いです。
2020.11.5追記:大画面の場合の勝手なやりかたと、メガネの反射改善について、少し書き足させていただきます。
大画面ですとカメラの位置が中心からだいぶはずれますし、照明もなかなか難しいところです。次の例は事務所から43インチ・ディスプレイで出る場合の、勝手な照明の方法です。主にディスプレイ背面の大きな白い壁の反射による間接照明のつもりですが、さらに工夫するとだいぶ改善されます。
この43インチ・ディスプレイは4K画素なので精細で、ウィンドウがあちこち配置できて楽です。しかし、できるだけカメラに近い目線となるようにするために、Zoomウィンドウや共有する際のウィンドウの位置を、カメラに近い上のほうにもっていくようにしています。そして余分に「照明ウィンドウ」を表示しておきます。白い画面ならなんでもOK。ついでに、大事な仕事の場合にはこの左側にある別PCマルチディスプレイである27インチも、「照明ウィンドウ」として動員。
しかし、これらだけではどうしても下からの照明が少し不足がち。そこで、左下に今回の記事と同様の眩しくない程度の照明をおいて改善をすることができました。実は、上にご紹介した工作よりも数か月前に試作して使っているものですが。回路は同じですがユニバーサル基板にちょこっと作ったものです。ケースは百均のもう少しだけ大きい食品容器(2個百円なり^^)です。
全体で1W程度は発熱するわけなので、アルミ板にはりつけてあります。また、上に放熱穴をあけましたが、実際は熱くはなりませんからそこまでしなくともよいかも。
蓋の内側には同様にトレーシングペーパーを二つ折りにしてはりつけてあるので、柔らかい白色照明となっています。これで顔に影がなくなりましたが机上の反射も役立っているようです。
さて、カメラの近くから照明するとメガネをかけたときに反射が気になるわけですが、こちらの照明方法では殆ど気になりません。カメラの両脇につけるパターンの場合には、カメラからある程度は左右に離すことでそれなりに改善されるのに気づきました。
以上、追加の記述でした。
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