勝手な電子工作・・

勝手なオリジナル電子工作に関する記事を書きます

オリジナル・レーザープロッター その0

新たに考えたプロッター(レーザーカッター、レーザーエングレーバー)を作成しています。XYメカニズムとは異なる簡素なメカニズムがうまく使えるかをテストするのが、このプロジェクトの目的です。そのため一般的なやりかたもGコードもすべて無視して、画像データを独自の単純な刻印データに変換し、ごく単純なプログラで実験しようというものです。少しずつ実験してご紹介していきたいと思います。

7月に試作機を作り、まずは通常のXYメカニズムの試験を終えたところです。ごく短時間ずつをこれに充てて考えながら進めてきましたので、思いのほか期間がかかりました。

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 この試作品では木材だけで簡単なベースを作成しました。側面は丈夫な10mm厚のシナ合板を使い、正確な平面と硬さを要する底面はMDF(百均にもある)としました。その他は百均の柔らかい木材(カルファタ集成材と思われる)を組み合わせました。しかしかなり頑丈にでき、重量のあるネジ送り機構の振動程度ではびくともしません。後で壊せるようにすべてをネジ止めだけにしました。なお、ここではY軸は底面に載せてあるだけです。振動でずれるのを防ぐために薄い両面テープで固定しています。

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刻印データは、目的とするメカニズムに使える形にしましたが、XYメカニズムでも使え、かつごく単純な形としました。後の記事で書きますが、一般的な形式とは全く違う単なるテキストです。

次に汚いメモ書きですみませんがいくつかのメカニズムの図を載せます。

1つ目は普通のXYネジ送り(Lenear Stage X 2)です。

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2つ目はタイミングベルトによるXYプロッターです。

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上図の形式はだいぶ前にこのブログの「磁気カメラ」(次の記事)でご紹介したものです。

a-tomi.hatenablog.com

海外では部品も出回り随分簡単です。上記以外のベルトのかけ方もあるようですが、ベルトを使うぶん、ネジ送り機構の精度(0.1mm未満)より少し劣るかと思います。XY座標の場合さらに色々あり、用途によってはモノレールを車輪で自走するような形もみかけます。

ご紹介する3番目の形式は2つのステッパー(またはサーボ)の回転角だけで位置決めをするメカニズムです。2つの角度α、βだけでPの位置が決まります。

 

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上図で精度を出すにはそれなりにしっかりしたメカを作ることが必要ですが、精度のいらない簡易な工作にも便利で、つぎのようなプロッター玩具も簡単なサーボで作られています。(出典:https://www.youtube.com/watch?v=N3KRaAX0MTU

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時刻を書いては黒板消しで消すというひょうきんな動作をしますが、海外ではキットも沢山出ているようです。

さて、ここで最終的に作ろうとしているのは上の3つとは異なるメカニズム数種類です。その1つはここで作成したX軸を流用するものです。メカを作るための部品の準備中ですが、目的の実験がうまくいった段階でメカニズム等を含めてご紹介したいと考えます。そのほかに2種類の方法も考えついていますので、追って試していきたいと思っています。

少しずつの取組なので期間がかかりそうですから、この記事は今後何回かに分けて、メカニズム、回路、プログラム、刻印データ形式などを含めてご紹介して行くつもりです。なお、プログラムは画像処理側はPC(Windows10)で作成、SDファイルの刻印データとしてプロッター側のArduinoに渡す形です。イメージからのデータ作成プログラムもプロッターでの刻印プログラムもそれぞれわずか200行未満と300行未満でごく簡単に作りました。刻印データは別の実験1つと共通で、メカが変っても同じようなファイル形式にして動かす予定です。

 まずはXYプロッター形式でアウトプットするという最初のテストをした段階です。その結果、マス目や手書き文字などが予定通り正確に刻印できました。

各軸のリミッターの必要性はあまりないのですが、念のために後で組み込みます。この記事の下の方に掲載している回路図のように入れますとArduinoのピン1つの使用ですみます。もともとリミッターへは行かない論理なので、もし到達した場合は、単純に全体をとにかく止めればよいわけなので。

www.youtube.com

最初のテストとして次の2つを画像から作りましたが、どちらも設計どおり正確に刻印されています。

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この後は、目的とするメカニズムの実験ができるように準備中ですが、一部のメカ入手待ちのところです。

回路は今後どれもほぼ同じものを使うことになるので、基板を作ろうかと考えています 。回路図はそれに向く配置にしてありますが、毎度手書きでみづらくてすみません。

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マイコンArduino UNOで十分。Arduino UNOを使い、IDEでスケッチが完成したらそのマイコンAT mega328Pを抜き取る方法が楽です。筆者は下の写真のように無圧ソケットで下駄をはかせて、そこにArduino IDE用のブートローダー書き込み済のATmega328Pを刺して使います。何の用途でも同じです。」

Laser光モジュレーションのためのPWMは他のPWM端子でもよいのですが、D5とD6だけが適切な周波数だと思います(誤植訂正済2019.8.9)。詳しくはプログラムも含めて今後書いていきたいと思います。

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Arduino-UNO互換機のソケットに無圧ソケットをセット

 

以下、重要な注意です。レーザーは失明や傷害、火災等の危険を伴い、周囲にも危険がおよびます。関連法規と取扱い基準(http://kikakurui.com/c6/C6802-2011-01.html)などに従って、正しく管理してください。この記事をみて自作される場合も全て自己責任でお願いします。

 

では今回はこのへんで。

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