iPad-mini初版の中にしこまれている磁石の様子を勝手な「磁気カメラ」で撮影しました。赤がN、青がS。途中段階の色と磁力は右の帯で表示しています。この場合、表面から12ミリはなれた場所の磁気の強さを示します。
最初は3軸磁気センサーを複数使って計算で無理やり求めようとしたりしましたが複雑で難しい。メカでXYスキャンするほうがずっと簡単にできそう!と気づきました。
とはいえ出来合いのXYプロッターは高価で趣味用にはもったいない。例によって少しずつ勝手に作ることに・・。
XYプロッタの駆動方式は色々考えられます。ステッパーかサーボ2個をならべ、ひし形の下2辺の各角度を変えて、上の交点位置を決めるのが簡単そう。角度2個とプロッターの位置は計算で求められます。しかし、各辺接続部の遊びが誤差に直結しそうなのでやめ。
一番確実で簡単そうなのは次のやりかたではないでしょうか?汚いメモ書きですみませんが、原理を考えた時の図。
このP点にセンサーをつけるわけです。
それで作ったのがこれ。
鋼鉄のロッドやベアリング、タイミングベルトなどはアマゾンで探して購入できます。海外からなので少しずつ到着しました。ステッパーの取付個所は、最初は全て木の板で自作していましたが、それもアクリル製の部品が売られているのを発見して購入。精度がかなり向上しました。
スキャンしてデータをマイクロSDカードに記録する操作の全てを、Arduino1個でやっています。回路は次のようにしました。自分用の汚い図ですみません。磁気センサーHMC5883Lからは1軸データのみ取り出して使います。
磁気映像データによってArduinoの入出力域を浪費しないために、マイクロSDカードへは50バイトずつを書き出しています。入出力をそのように工夫すれば余裕たっぷりでできます。
上の映像ではラジオやらレコーダーやらを撮影していますが、表面が同じ高さになるように下に薄い板を数枚敷いて調節しています。
マイクロSDカードに書いたデータをPCで読み込み、その普通のカメラ映像とともにPCに入れて、自作プログラムで処理しています。そこの処理は全てをマイクロソフトのSmallBasicでごく簡単に作っています。しかし言語等は何でもよいわけです。
なお、プロッターの精度からいって、測定の密度はもっとずっと上げられますが、撮影時間を短くしたいのでとりあえず50x50です。それで1枚5分ほどかかりますから。
色んなものを撮影しましたが、磁石の思わぬ配置に驚くものもあります。また、工作に使っている工具のほぼ全てが帯磁しているのにも気づきました。
この電子工作のとっかかりは、ポケットに入れたスマホが通帳の磁気ストライプ(磁気バンド)を壊したことが発端です。スマホのケースには気を付けた方がいいですね。
次にいくつかの撮影結果を添付しておきます。
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