このところ会合をネット開催に替えたり予定を延期したりと、新型コロナウィルスで皆さんたいへん、私もたいへん。これを契機に日本もDXが進めば・・。
そうこうしているとブログ記事が滞ってますがそうはいきませんね。あと数時間しかない今月、勝手な電子工作としては、今書けることを何か書いておきます。やりかけの工作や実験を沢山もっている^^; のでね。簡単なのを探すとこれがいいか。下の写真では、ほぼ使い切って0.90Vしかない電池でLEDを明るく点灯しています。
種明かしすれば、もちろん熱収縮チューブ内にジュールシーフ(エネルギー泥棒)回路が入っています。
ネットでjoule thief circuitを検索すれば大量にヒットして、次のような様々な回路が出ます。
どれもブロッキング発振させて低い電圧を上下に振らせることで、LEDを点灯させる仕組みです。そのためにトランス又はチョークコイルを用います。回路は色々工夫でき、今開けた箱からは過去に勝手に作った種々の実験回路が出てきます。
5年ほどまえに、同じ機能が安くて小さい4本足のICに収まっていることに気づき、そこからは回路を考える必要がなくなりました。そのICはYX805でしたが、その後YX8018とか別メーカーのQX5252とか同じ機能の4本足ICに多くの種類があるのに気づきました。どれも中国オリジナルのようで、太陽光電池でソーラーLEDライトを点灯させるためのICです。
データシートの例は次のようなリンク先にあります。
http://datasheetcafe.databank.netdna-cdn.com/wp-content/uploads/2018/06/QX5252F.pdf
http://www.datasheet39.com/download.php?id=912097
私が購入した時は1本あたり5円程度の廉価なICだったと思いますが、これがたいへん便利にできています。
単にジュールシーフ回路とする場合は、太陽光電池をつながず二次電池の代わりに古い電池を入れればよいだけです。
次のような回路となります。毎度手書きで汚くてすみませんが。
これだと外付け部品としてインダクタンス1本だけでOKです。データシートにインダクタンス別の消費電流などが記述されています。
ここでは実験をしてみます。たまたま手元にあるインダクタンスは次の種類です。値は実測値。
次の実験回路でこれらを入れ替えて、Lx点の波形(つまりLEDにかかっている電圧)をみます。
すると次のようになります。
まずは適切そうな88µHです。
発振によってVssよりマイナスにもなりますが、上側は2Vも超えており確実に点灯するわけです。
Lを極端に大きく1mH(実測は990µH)にすると、より明るく次のような波形で点灯します。上側の電圧(1.7V程度)でLEDが点灯しているのがわかります。というよりLEDがこのような電位差を作ります。下側は電流を消費しないので平になるわけだと思います。
極端に小さなLではどうなるでしょう?
次は僅か0.9µHの場合です。これでも点灯するのですから驚いてしまいますね。
デューティ比が小さいですがLEDは問題なく点灯します。大きなLの場合に比べれば暗いですが、かつて百均のソーラーライトを調べた際も、こんな感じの発振でした。
さて、目の前で実験しながら書いてきたら意外に時間がかかりました。このへんで公開をしておきたいと思います。
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